2017-12-06
40代の男性型脱毛症の男性患者様は、長く遠隔診療を受けられ改善していました(写真)。ところが、ピロリ菌の除菌を勧められ、プロトンポンプ阻害薬という強烈な胃酸分泌を抑制する薬を1週間内服しました。予め、内服しないようにというようにお伝えしていました。服用を終了して、4日目に頭部写真を見ると、頭頂部の地肌の露出が増えていることが分かります(写真)。胃酸は、胃の知覚神経を刺激して、全身のIGF-Iをふやします。したがって、胃酸分泌を強力に抑えるプロトンポンプ阻害薬は、IGF-Iを減らし、脱毛を引き起こすことになります。IGF-Iは、認知機能改善作用、骨密度増強作用なども持っているので、この薬を常用すると、脱毛以外に、認知症や骨粗しょう症を引き起こすことになりかねません。髪の毛に悪いものは、健康にも良くないということです。