2017-02-24
東海地方にお住まいの30代の男性患者様は、3年前に円形脱毛症発症。その1~2ヵ月前に頭皮にかゆみがあり、近くの皮膚科でかゆみ止めアレロックを処方され、その後に、円形脱毛症が起こりました。患者様のお父様に円形脱毛症あり。かゆみ止め(抗ヒスタミン剤)による、典型的な円形脱毛症発症パターンです。すなわち、遺伝的に円形脱毛症の素因がある人が、抗ヒスタミン剤を服用すると、円形脱毛症が発症するということです。しかも、アレロック服用の原因となった、頭皮の痒みは、円形脱毛症の初期症状だったと思われます。この時点で、知覚神経を刺激して、IGF-Iを増やす治療を行えば、円形脱毛症は起こらなかったでしょう。皮膚科の治療で、火(円形脱毛症)に油(アレロック)を注ぐことになったようです。患者様に、円形脱毛症発症のメカニズムをお話しすると、”なるほど。理にかなっていますね”と納得されました。 この患者様は、地元の国立大学医学部附属病院で、ステロイドパルス療法、かぶれ治療、ステロイド局注療法などの治療を受けられましたが、すべて空振りでした。そのうちに、皮膚科の担当医が、ステロイドの塗り薬と微量のセファランチンを機械的に処方するだけという、そっけない対応となったため、名古屋Kクリニックを探して来院されました。当クリニック来院時は、全身の毛が抜けてしまう、汎発性脱毛にまで進行していました(写真)。円形脱毛症の患者さんが経験する、言い換えれば、患者さんが、当クリニックに行き着くまでの、まさに典型的なパターンです。 花粉症の季節です、かゆみ止めは、アレロック以外にも、アレグラなども絶対に服用しないで下さい。