2024-04-02
当クリニックでは、頭皮の脱毛部分にカプサイシンを含む、刺激の強いジェルを塗布して、梅花鍼で刺激する院内治療を行っています。この治療中、すべての患者さんではありませんが、多くの患者さんで、鼻水が出てきます。このような現象は、なぜ起こるのでしょうか?頭皮の知覚神経刺激は、ジェルの塗布の効果もあり、全身に伝わります。この刺激の伝達経路は、痛覚伝達の経路を経ていますので、一旦、視床下部という自律神経の中枢を経て、末梢に伝わります。末梢へは、副交感神経の遠心路を経由しており、この神経末端から放出されるアセチルコリンが、末梢の知覚神経を刺激することになります。末梢の知覚神経が刺激されると、その末端からヒスタミンが放出され、血管透過性を高めて、鼻水がでるのです。つまり、鼻水が出る患者さんは、神経の情報伝達がスムーズに行われていることになります。鼻水は出なくても、体中がムズムズしてくるという患者さんもいます。このような患者さんでは、鍼で直接刺激を受けている頭皮のみならず、その刺激が伝わった末梢でも、IGF-1 が増えていることになります。この効果こそ、長く不明であった鍼灸療法の効果発現機序なのです。梅花鍼をお持ちの患者さんは、刺激してみて、末梢に刺激が伝わっているかどうかを試してみて下さい。ストレスで、交感神経の緊張が優位になっている方も、頭皮の梅花鍼刺激で改善するはずです。脱毛以外の、体の不調にも、梅花鍼は効果を発揮します。