2021-11-29
大阪府在住の40代の男性患者様は、来院する7ヵ月前に円形脱毛症を発症しました。お母様に関節リウマチの既往がありました。アトピー性皮膚炎の治療で、脱毛するフェキソフェナジンを服用していましたが、そこに耳鼻科で最悪のモンテルカストを処方され、遺伝する自己免疫疾患の体質に加えて、これらの脱毛薬の服用で、円形脱毛症が起こったことになります。近所の皮膚科では、ただステロイドの塗り薬を出されるだけで、治療で治る気配も、また、皮膚科医の治そうとする素振りもなく、大阪府内の医療機関では円形脱毛症は治らないと気付いて、当クリニックに来院されました。前頭部に大きな脱毛斑があり(写真)、多発型の円形脱毛症の状態でした。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始すると、徐々に産毛が生えてきて、ちょうど治療2年後には、最も目立つ部分の脱毛斑が隠れました(写真)。一つくらいの円形脱毛症は皮膚科に行っても、行かなくても、自然治癒します。しかし、多発型円形脱毛症は治りません。円形脱毛症の困った点は、これ自体が、現代医学では治らない自己免疫疾患であり、そのために、外見上のデメリットが一生ついて回る可能性があることです。外国の文献では、頭部の脱毛面積が50%以上の場合、円形脱毛症の自然治癒率は、17年間で3.7%です。そして、日本の皮膚科では、脱毛する抗ヒスタミン剤が、円形脱毛症の治療に使われるので、このわずかな自然治癒さへ望めないでしょう。