2021-10-23
40代の男性患者様は、男性型脱毛症(AGA)のケアのために、18年間育毛サロンに通いましたが、効果はありませんでした(写真、治療前)。当クリニックに来院され、カプサイシンなどのサプリメントとAGA治療薬アボルブの併用で、少しずつ産毛が生えてきました(写真、治療7年9ヵ月後)。もともと重症のAGAですから、産毛の生える速度も遅かったのですが、梅花鍼の併用5ヵ月後に、急に産毛が増えてきました(写真、治療8年2ヵ月後)。2021年のノーベル医学生理学賞は、カプサイシン受容体の発見に対して贈られました。これまで、ノーベル賞は、偉大な研究業績のみならず、その社会貢献に対して贈られてきました。青色発光ダイオードやイベルメクチンの開発は、その良い例です。しかし、カプサイシン受容体の発見は、何の臨床応用もされていません。ただ、高濃度のカプサイシンを皮膚に塗って、知覚神経をしびれされると、ヘルペス後の神経痛が軽減するという、お粗末な臨床応用があるのみです(米国)。iPS細胞の発見や抗がん剤オプジーボの開発にもノーベル賞が贈られましたが、iPS細胞は、受賞から10年たちますが、まだ、”シャーレの中だけの万能細胞”で、オプジーボも、期待されたほどのがん治療効果は認めれらませんでした。この2つの受賞も、社会貢献なしでの受賞となっています。カプサイシン受容体の発見で、この受容体が多様な刺激に反応することがわかり、これを応用して、カプサイシンなどの化学的刺激、温熱刺激、そして梅花鍼による物理的刺激の相乗効果で、IGF-1が増え、育毛効果や様々な健康効果が発現するということが、カプサイシン受容体の発見の唯一の臨床応用ではないでしょうか。