2020-07-04
9歳の男子患者様は、当クリニックに来院される2年前に、円形脱毛症を初発しました。叔父様に、円形脱毛症の既往がありました。円形脱毛症を発症する前に、傷口に、市販の絆創膏を貼っていました。その絆創膏の名前は憶えていないそうですが、かゆみ止めが入っていたかもしれません。愛知県内の私立医大の皮膚科を受診し、脱毛症治療専門の静岡県のある国立医大の皮膚科を紹介されたそうです。お得意のかぶれ治療をされ、少しは生えてきたそうですが、かぶれがひどく、何か、かゆみ止めを出されたのでしょうか、全部抜けて、結局、全身の毛が抜ける、汎発性脱毛にまで、悪化しました。皮膚科に治療に行って、最重症になるのでは、患者様も、ご家族も途方に暮れられたでしょう。困り果てて、当クリニックを受診され、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1を増やす治療を開始すると、治療4ヵ月までは、白い産毛が、少ししか生えていなかったのですが、治療5ヵ月後には、急に、広い範囲に、黒い産毛が生えてきました(写真)。ご両親も、うれしい驚きを隠しきれず、汎発性脱毛の患者さんでは、とても、早い治療効果の発現です。皮膚科での治療を続けていると、次は、ステロイドの全身投与をされていたでしょう。この治療、お子様にとっては、効果がないばかりか、副作用が怖いですね。