2020-06-27
関西地方在住の40代の女性患者様は、職場のストレスがあるときに、ピロリ菌の除菌に使用するタケキャブという脱毛剤が配合された薬で、単発性の円形脱毛症を発症しました。発疹もでたので、皮膚科Aを受診すると、毛虫のせいと言われ、発疹も脱毛症も、診れないとして、ある労災病院皮膚科を紹介されました。そこでは、薬疹と診断され、脱毛症は、起こって半年以上たっているので、治せないので、もとの皮膚科で診てもらいなさいといわれたそうです。その後、放置していましたが、悪化したので、また、毛虫皮膚科Aを訪れると、閉院時間を1分すぎているからと、追い返されました。皮膚科Bで紫外線照射を、皮膚科Cで、内服薬とステロイドの塗り薬を出されましたが、効果はありませんでした。その後、生理痛のためのロキソニンSとムヒSを大量に塗って、円形脱毛症は悪化し、毛が全部抜けるのではないかと不安になられたそうです。当クリニックのHPで、ムヒによる脱毛を知られて、当クリニックを受診されました。来院時は、多発型円形脱毛症の状態でした(写真)。ムヒで脱毛する理由や、円形脱毛症は、IGF-1 を増やす治療で治ることをお話すると、”来てよかったです”と言われて、次回からは、遠隔診療で治療することになりました。毛虫皮膚科も、総合病院の皮膚科も、円形脱毛症は、診たくないのですね。治らないからですね。ひどい話です。