2020-05-22
1年のうちで、最も抜け毛が増えるのが、5月から6月にかけての初夏です。これは、4月からの生活環境の変化、また、10℃以上の寒暖の差、そして、今年は、感染症防止のための自粛生活も加わり、心身ともにストレスの多い季節だからです。これらのストレスに対して、生体は、戦うべく、交感神経優位の状態になります。知覚神経を刺激すると、IGF-1 が増えますが、この時、神経刺激を体中に伝達するのが、副交感神経です。しかし、交感神経優位の状態になると、副交感神経の働きが抑制されて、IGF-1 が増えにくくなり、抜け毛が増えます。30歳の男性型脱毛症の患者さんは、IGF-1 を増やす治療を受け、治療10ヵ月後に明らかに改善しました。しかし、治療11ヵ月後には、頭皮の露出が増え、悪化しています(写真)。しかし、治療1年後には、再び改善しています。その次の年も、そして翌々年も同じパターンを繰り返しています。悪化するのは、決まって6月です。そして、夏になると改善しています。治療中なので、悪化しても、脱毛ではなく、毛が細くなるだけで済んでいます。しかし、円形脱毛症の患者さんでは、6月に、治療中でも、軽い再発を起こして、脱毛することがあります。サプリやセファランチンの飲み忘れを避けて、朝食をきちんと食べて、入浴し、その日のうちに寝て、日の出とともに起きる生活を心がけて、再発を防ぎましょう!