2020-05-02
40代の男性患者様は、家族歴もなく、原因も不明で、円形脱毛症を発症しました。皮膚科に、6年間通われて、あらゆる治療を受け、治ったようですが、おそらく、自然治癒でしょう。皮膚科治療が有効であれば、もっと早く治っているはずです。その後に、再発しましたが、皮膚科には、行く気もせず、当クリニックを探して来院されました。多発型の円形脱毛症で、前頭部の、正面から見える部分に、大きな脱毛斑がありました(写真、治療開始時)。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、毛の生え変わりを経て、白い産毛が生えてきて、黒い産毛も増えると同時に、白い毛も、徐々に黒くなり、治療5ヵ月後には、明らかな改善が見られました(写真)。IGF-1 を増やす治療で、重症の円形脱毛症は、治療6ヵ月で、ほぼ生え揃う場合も、中には、ありますが、やはり、完全に治癒するには、1年半程度は、かかる場合が多いようです。治療しないと、自然治癒もあり得ますが、その率は、これまでの報告では、脱毛面積が、全体の50%以下で、17年間で56%、脱毛面積が、50%以上の場合、17年間で、わずか、3.7%です。しかし、17年間は、待つというより、放置に近いですね。