2020-03-11
40代の女性患者様は、来院の1ヵ月前に、円形脱毛症を初発しました。その前の2~3ヵ月間は、花粉症の目のかゆみをとるロートアルガードという目薬、ロキソニン、そしてムヒを使用して、これらの合わせ技で、円形脱毛症を発症しました。かしこくも、皮膚科に行かずに、来院されました。来院時、後頭部に大きな脱毛斑がありましたが(写真)、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、産毛が生えてきて、次第に、改善していきました。この患者様で、驚いたことは、治療中に、打撲に対して、脱毛する成分入りの湿布である、アドフィードを使用したのですが、毛が白くなるだけですみ、脱毛しませんでした。通常は、1回の湿布だけでも、ひどい脱毛を起こしますが、よほど、治癒力が強いのでしょう(IGF-1 を増やす力が強い)。治療7ヵ月で、後頭部の大きな脱毛斑も治癒し(写真)、薬を減量していきます。この方は、髪の毛が太く、痛み止めでも、脱毛しませんでした。一方、もともと、髪の毛が、細い方は、やはり、治療効果の発現が遅くなります。脱毛前の髪の毛の太さは、IGF-1 を作る能力を反映しているのかもしれません。花粉症の季節ですが、目薬や飲み薬は、脱毛症の方は、飲んではいけません。後悔先に立たず、にならないように、注意しましょう。