2020-02-28
40代の女性患者様は、当クリニックに来院される20年以上まえに、出産とアトピー性皮膚炎のかゆみに対して、脱毛するかゆみ止めである、エピナスチンを服用して、円形脱毛症を発症しました。近所の皮膚科を受診して、治らず、思い余って、男性型脱毛症(AGA)の治療を専門とするクリニックを受診して、そこでは治せないと、総合病院の皮膚科を紹介されました。受診すると、かぶれ治療を受けましたが、また、同時に、脱毛するかゆみ止めであるタリオンをも、処方され、円形脱毛症は、悪化して、とうとう体毛まで抜けてしまう汎発性脱毛にまで悪化しました。困り果てて、当クリニックに来院されました。カプサイシンなどのサプリメントと、150mg・日のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、徐々に、産毛が生えてきましたが、治療1年3ヵ月目に、それ以前と比べて、急に改善してきました。眉毛も、体毛も生えてきました。重症の円形脱毛症の治癒過程は、直線的に改善するのではなく、曲線で、改善してきます。頭皮の状態が良くなると、ある時点で、それ以前の改善スピードよりも、明らかに高くなってきます(いわゆる、変曲点です)。治療効果が、徐々に表れている患者さんでも、このような変曲点が必ずやってきます。この患者様の場合も、総合病院の皮膚科の外来は、”脱毛外来”でした。