2020-02-07
9歳の男性患者様は、当クリニックに来院する、約2年前に、円形脱毛症を発症しました。叔父様に、円形脱毛症の既往がありました。発症する、少し前に、頭部を打撲して、名前は不明ですが、市販の傷に貼る絆創膏を貼ったそうです。脱毛成分が、入っていた可能性があります。その1ヵ月後に、頭髪が、すべて抜けてしまい。愛知県の某私立医大の皮膚科を受診すると、円形脱毛症治療を専門とする、静岡県のある国立医大の皮膚科を紹介されました。そこで、皮膚科のクリニックでは、どこでも行える、かぶれ治療を受け、改善しそうになったものの、かぶれがひどく、中断して、悪化し、とうとう、全身の毛が抜ける汎発性脱毛にまで、進展しました。かぶれ治療による、知覚神経刺激が、善玉リンパ球(制御性Tリンパ球)を活性化し、一時的に、功を奏しようとしたものの、中断することで、脱毛を引き起こす、悪玉リンパ球の逆襲を受けて、悪化したのでしょう。困り果てて、当クリニックを受診し、カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始し、善玉リンパ球を活性化すると、治療21日目で、左目に、白い睫毛が多数生えてきました(写真)。ご両親は、これを見て、喜ばれ、”なんとか、治して下さい”とお話されました。皮膚科治療を受けて、円形脱毛症から、全身の毛が抜ける、最重症型の汎発性脱毛になってしまい、とても残念なお気持ちだったでしょう。カプサイシンも、規定量飲まれており、患者様自身も、真剣に治療に取り組んでおられるので、きっと改善するでしょう。