2020-02-03
関西地方在住の、10代の男性患者様は、そのお母様に、円形脱毛症の既往がありました。運動部のハードな合宿中に、パブロンを服用して、円形脱毛症を発症しました。皮膚科で、6ヵ月間の治療を受けると、その間、脱毛するザイザルを処方され、円形脱毛症は、さらに、悪化しました。関西地方では、円形脱毛症を治せる医療機関を見つけられず、当クリニックに来院されました。来院時は、前頭部と後頭部に、いくつもの大きな脱毛斑を伴う、重症の多発型円形脱毛症の状態でした(写真、治療前の後頭部の写真)。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンを用いて、IGF-1 を増やす治療を開始すると、治療3ヵ月で、後頭部の円形脱毛症が、改善してきました(写真)。しかし、ここで、運動部の活動が忙しくなり、治療を中断してしまいました。その5ヵ月後に、円形脱毛症が、悪化し、またまた、効果のなかった皮膚科治療を3ヵ月間受けて、当然ですが、治らず、また、当クリニックを受診しました。再来院時、当クリニックでの、最初の治療前よりも、円形脱毛症は、明らかに、悪化していました(写真)。治療を中断すると、円形脱毛症は、治療中断前より、悪化します。IGF-1 を増やす治療で、自己免疫を起こす悪玉リンパ球を押さえる、善玉リンパ球を活性化して、治療効果を出していたのですが、治療中断により、悪玉リンパ球の活性化が、強くなり、このように、著明に悪化したのです。皮膚科に、再び、寄り道したのも、さらなる悪化の原因でした。改善中の治療中断は、危険です。それまでの、治療が無駄になるどころか、このように、悪化しますので、ご注意下さい。