2019-11-26
北海道在住の20代の女性患者様は、来院される9ヵ月前に、生活環境の変化で、円形脱毛症を発症しました。近所の皮膚科を受診するも、悪化する一方で、困り果てて、遠路、当クリニックに来院されました。来院時は、ほぼ全頭脱毛の状態でした(写真)。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、生え変わりもなく、順調に改善してきました(写真、治療5ヵ月後)。ある時、循環器内科に、胸痛でかかると、内視鏡もせずに、そこの医者が、逆流性食道炎かもしれないからと、簡単に、胃酸分泌を強力に抑えるガスターOD錠を処方しました(簡単に処方する薬ではありません。しかも内視鏡もせずに!)。脱毛する薬には、日ごろから気を付けられてたので、当クリニックへ、処方された薬の服用の可否を尋ねられました。胃酸は、カプサイシンと同じく、知覚神経を刺激する作用があるので、IGF-1 を増やします。したがって、ガスターのような胃酸分泌を抑える薬は、IGF-1 を減らして、脱毛を引き起こします。お問い合わせに対して、飲まないようにお答えしましたが、すでに、2日間ほど飲んでいました。そして、その2週間後、1ヵ月後、脱毛が確認されました(写真)。いったん飲んで、途中で中止しても、ガスターは、円形脱毛症を再発させるので、脱毛は続きます。お薬の脱毛への影響をお尋ねの場合は、必ず、使用前にして下さい。