2019-10-28
お父様に関節リウマチがある60代の男性患者様は、定年退職による環境変化と初夏の影響で、円形脱毛症を発症しました。頭頂部と後頭部には、男性型脱毛症(AGA)もありました。皮膚科治療は、効果がないだろうと考えられ、当クリニックを直接、受診されました。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、治療1ヵ月で、頭頂部には、少しの毛の生え変わりが見られました(写真)。この頃では、まだ、右側頭部の円形脱毛症では、明らかな改善は見られませんでした。しかし、治療1ヵ月目から、セファランチンを150mg・日に増量し、AGA治療薬であるアボルブを併用すると、その1ヵ月後に、AGAで脱毛していた頭頂部で著明な改善が得られたと同時に、右側頭部の円形脱毛症も、明らかに改善しました(写真、治療2ヵ月後)。AGA の原因の、いわゆる脱毛ホルモンであるDHTも、IGF-1 を減らすので、アボルブで、この減少を抑制すると、右側頭部の円形脱毛症部位とAGAが共存していた部位で、円形脱毛症も明らかに改善したということでしょう。しかし、抜け毛も減って、治療前は、髪の毛が全部抜けてしまうのではないかと心配しておられましたが、改善を実感して、ほっとされていました。皮膚科のスキップが、この患者様でも、正解でした。