2019-10-04
60代の男性患者様は、定年退職後の6月に、円形脱毛症を初発しました。お父様に、関節リウマチの既往がありました。痛み止めや抗アレルギー剤などの脱毛する薬の使用もなかったので、自己免疫疾患の素因、生活環境の変化、そして寒暖差の大きな初夏という、3つの要因で、円形脱毛症を発症したと思われます。数個の脱毛斑があり、このまま脱毛斑が増えていき、毛髪が全部なくなるのではないかと不安を抱かれ、皮膚科は受診せずに、当クリニックに来院されました。カプサイシンなどのサプリメントと大量のセファランチンで、IGF-1 を増やす治療を開始すると、治療1ヵ月後には、後頭部の最も大きな脱毛部分内部に、もう産毛が生えてきました(写真)。奥様も、産毛が生えていることに気付いておられて、このように言われました。皮膚科受診なしだったのは、正解でした。もし受診して、効果がないだけなら、まだ、よかったのでしょうが、抗ヒスタミン剤を処方されていたら、不安が現実のものになっていたでしょう。