2018-09-21
運動は、IGF-Iを増やす成長ホルモンの分泌を高めます。したがって、運動することは、育毛に良いのですが、どのような運動が、最もIGF-Iを増やすのでしょうか?筋肉には、酸素の力でエネルギー物質(ATP)を作り出すミトコンドリアという器官が多い赤筋と、それが少ない白筋があります。ジョギングやウオーキングなどのゆっくりした有酸素運動では、赤筋が、そしてダッシュなどの激しい運動では、白筋が使われます。赤筋のエネルギー源は、血糖と血液中の脂肪酸で、白筋のエネルギー源は、血糖と筋肉中のグリコーゲンです。脂肪組織が多いと、成長ホルモンによるIGF-I増加が起こりにくいので、有酸素運動では、脂肪が燃えて、IGF-Iが増えやすくなります。白筋のグリコーゲンが分解されると、乳酸ができますが、これが、IGF-Iを増やします。肥満の方は、まず、有酸素運動から、そうでない方は、有酸素運動と無酸素運動のを、混ぜて行うことが良いでしょう。そして、筋肉量を増やすと、筋肉で産生されるエネルギー物質であるATPが増え、体温が上がり、IGF-Iが増えやすくなります。加圧トレーニングやダンベルで、筋肉に持続的な負荷をかけ、筋肉量を増やすことも、運動と同時に行うと、よりIGF-Iが増えやすくなり、育毛にも効果的です。特に、男性型脱毛症は、生活習慣病の側面が大きいので、男性型脱毛症の患者さんには、このような運動をお勧めします。