2024-01-19
50代の男性患者さんは、幼少時に円形脱毛症の既往がありました。その後も、再発を繰り返していましたが、自然治癒していました。ある時、蕁麻疹の痒み対して、皮膚科から処方されたビラノアを服用して、1個の円形脱毛症が再発しました。皮膚科医は、さらに乾癬の痒み止めとしてビラノアを処方し続け、患者さんは飲み続けて、とうとう全身の脱毛が起こりました。勿論、皮膚科の治療は無効でした。当クリニックを受診された時は、汎発性脱毛の状態でした(写真)。IGF-1を増やす治療を開始しましたが、産毛も残っているので、改善しやすいでしょう。しかし、ビラノア服用中に円形脱毛症が起こった患者さんに、疑いもせずにビラノアを出し続ける皮膚科、怖いですね。しかも、円形脱毛症に対する治療は無効。この患者さんは、全身の毛が全部抜けるのではないかと、大きな不安を抱いておられました。円形脱毛症の既往や家族歴がある人は、皮膚科には近寄らないほうが良いですね。