2019-01-18
30代の女性患者様は、12歳で円形脱毛症を初発し、以降、7年間という長い期間、皮膚科での治療を受けていましたが効果はありませんでした。ロキソニンなどの痛み止めを月1回服用していたのも、円形脱毛症の悪化の原因です。円形脱毛症治療の目的で、名古屋Kクリニックを受診された時は、全身の毛が抜ける汎発性脱毛に近い状態でした。カプサイシン、イソフラボンを含むサプリメント、タキシフォリン、および大量のセファランチン(150mg・日)を服用して頂き、IGF-Iを増やす治療を開始したところ、傷んだ毛が抜ける、毛の生え変わりが起こったあとに、全体に白い産毛が生えてきました。そして、驚いたことに、来院5年前に発症した、やはり自己免疫疾患である、手の白斑が改善し始めたのです。治療4ヵ月目の左手の指の白斑が、治療3ヵ月目と比べると、明らかに改善してきました(写真)。これまで、メラニン色素がなかった皮膚の白い白斑の部分が、徐々に赤くなってきて、色素沈着が起こってきています。やはり、自己免疫疾患である円形脱毛症を治す、IGF-Iを増やす治療は、他の自己免疫疾患にも、効果的であることが分かりました。皮膚科での白斑治療には、やはりステロイド(効果なし)、そしてメラニンのない無防備な皮膚への紫外線照射(皮膚がんのリスクが高くなる!)などの、効果のない治療が行われています。癌の免疫療法に使用され始めた、話題のオプジーボは、副作用として、自己免疫疾患を起こします。IGF-Iを増やす治療は、癌への免疫力を高め、行き過ぎた自己免疫を抑えるという、免疫の正常化が期待できます。副作用のない癌治療として、応用できるでしょう。